Bunkamura で開催中の『風景画の誕生』を見に行きました。
先日、Bunkamura で開催中の『風景画の誕生』を見に行きました。
↓特設ページ。
www.bunkamura.co.jp
見に行こうと思ったきっかけは、駅で見かけたこの絵のポスターでした。
(引用)http://abc0120.net/home.php?mod=space&uid=7&do=album&picid=19479
この絵のポスターを見かけた時、「これはもしや、ボスの絵では!!」と、一気にテンションがあがりました。
ボスというのは、奇妙な絵を描くヨーロッパの画家、ヒエロニムス・ボスのことです。
謎や寓意に満ちた『快楽の園』が有名な作品のひとつです。
(快楽の園)
この不思議な世界観と、近未来を予感させるような塔の数々。
500年も前の時代にこんな絵を描くことができるなんて、とてもロマンがあります。
私はペン画を描くのですが、このボスの影響を受けたピーテル・ブリューゲルの版画がとても好きになったことがきっかけで、ペン画を描くようになりました。
だから私にとってボスはかなり影響を与えてくれた画家になります。
そんな画家の絵がこの眼で見られる日が来るとは。
期待に胸を膨らませて、美術館へと向かいました。
入り口でチケットを購入し、受付の方に中の込み具合を確認。
「空いておりますので、じっくりご覧頂けます」
嬉しいご回答を頂き、意気揚々と会場内に足を踏み入れました。
ゆっくりと順番に絵を鑑賞しつつ、進んでいくと割とすぐに、ボスの絵とご対面の時がやってきました。
ドキドキしながら、近づきます。
大きな絵を想像していたのですが、思っていたよりもとても小さく、単行本ほどのサイズでした。
胸の高鳴りはまだおさまりません。
「これがボスの絵なのか。なんというタイトルなんだろう」
と、思いキャプションを確認すると、衝撃の事実が…。
(キャプション)
『ヒエロニムス・ボスの模倣者《楽園図》1540-50年頃 油彩・板』
そう、これボスの作品じゃなかったのです。
ボスの絵の影響を受けて真似た人が描いた作品なんです。
しかも名前すらわからないので『模倣者』となっていました。
がっかりしましたが、ボスの影響を受けたというだけあって、
細かい部分まで、楽しむことができました。
他の絵で面白かったのが、カレンダーのもとになった絵があったのですが、
1月、2月など月を表すために星座のモチーフが描かれており、
蟹座の月が蟹ではなく、ザリガニが描かれていた点でした。
調べてみると、地域によってはザリガニで表すこともあるみたいです。
ボスの絵(実際は違いましたが)につられて久しぶりに美術館に足を運んだのすが、とても素敵な時間を過ごすことができました。
こちらの『風景画の誕生』ですが、12月7日まで開催中です。
私が行ったのは、金曜日の夕方〜夜頃で、とても空いていました。
その時間はゆっくり鑑賞できるかと思います。
日向野 あおい